【結論から話せ】サロンプレゼンは「PREP法」で攻略。
先日、取引先の美容室へ商品のご提案をすることに。
下準備としてプレゼン資料を作成しますが、どうもしっくりきません。
今回は、「PREP(プレップ)法にこだわって作ってみました。」
「えッ!PREP?なにそれ!」という方もいるかもしれませんが。
そうです!”ロジカルシンキング”でよく聞く割に、
「結局よくわからない」という人も多いあれです!
でも大丈夫!
この記事を読めば、「PREPって何?」という超基本から
実際のプレゼン資料を書くときの使い方、セールストークまでバッチリわかります。
1.「PREP」とは?
1-① いわゆる「結論から話せ」
PREP(プレップ)という話し方・書き方の構成があります。
Point 最初に要点
Reason 次にその理由
Example そして具体例
Point 最後に要点をもう一度
この頭文字をとって「PREP」。
いわゆる「結論から話せ」というやつですね。
たとえば「美容専門学生にアルバイトを許可すべきかどうか」というディベートなら
Point「私は美容学生のアルバイトには賛成です」
Reason「なぜならビジネスを学ぶことができるからです」
Example「あのヴィダル・サスーンもメッセンジャーの仕事で生計を立てながら最初の美容室で見習いとして始めています」
Point「ゆえに私は美容学生のアルバイトに賛成です」
こんな感じです。
1-② PREP上達のカギは Reason と Example の区別
PREPが日本のビジネスパーソンにあまり普及しなかった原因の一つに
「ReasonとExampleの混同」があります。
Exampleを「根拠」と訳して教えられることが多かったため、
「理由も根拠も、同じでしょ? なんで2つ並べるの?」と納得しにくかったんですね。
Reasonは「理由」、Exampleは「事例」と覚えましょう。
さっきの例をもう一度出しますね。
Point「私は美容学生のアルバイトには賛成です」
Reason「なぜならビジネスを学ぶことができるからです」
Example「あのヴィダル・サスーンもメッセンジャーの仕事で生計を立てながら最初の美容室で見習いとして始めています」
Point「ゆえに私は美容学生のアルバイトに賛成です」
「ビジネスを学べる」というのは理屈です。一般論です。目に見えません。
これに対し、「あのヴィダル・サスーンも」というのは実在する有名人の具体例です。目に見えます。
Reason(一般論)だけだと、「理屈としてはわかるけど、ホントなの?」と疑われます。
Example(事例)だけだと、「それはヴィダル・サスーンが特別なんでしょ?」と反論されます。
一般論と個別の事例がセットだから説得力をもつわけです。
よくある美容オーナーの推理も同じです。
Point「この後始末をした犯人は、○○だね!」
Reason「なぜなら、この後始末の仕方はきみ以外に考えられないからだ」(推理)
Example「その証拠に先週もあなたの片づけだけが汚かった!」(証拠)
Point「ゆえに、この後始末も○○だね!」
この場合も、
Reason(推理)だけだと「エッ、それはオーナーの想像でしょ?」と言い逃れができてしまいます。
Example(証拠)だけだと「片づけが汚いからって、わたしなわけ?!」と逆ギレされます。
推理と証拠がセットになるから説得力をもつわけです。
2. プレゼン資料、セールストークでのPREPの使い方
2-① 結論から話すな?
この「PREP」、短いセールストークやプレゼンに利用するのはとてもわかりやすいんですが、
長めのセールストークや1時間を超えるプレゼンテーションの構成にそのまま使えるかというと、話は別モノです。
飛び込み営業マンが突然「買ってください! なぜならば・・・」と切り出しはじめたら、スタッフはドン引きしますよね。
「サロンのこの問題を解決してさしあげます」が美容師にとっての「要点」であって、
「そのためにこの商品のご紹介になります」は問題解決の手段にすぎないわけです。
PREP法は本来、
「1分間でセールストークするときの話し方」なんです。
「時間をかけて相手を動かすための話し方」とは別モノなんです。
2-② 相手を動かすトーク、プレゼンの構成
相手を動かしたかったら、まずは問題点を共有して
それがなぜなのかを理解してもらった上で解決策を提案する必要があります。
いわゆる「問題提起/原因分析/解決策」の3段落構成ですね。
プレゼンやセールストークなら
まずこの商品やサービスが従来のものとどう違うのかを示し(差別化、Difference)
その裏付けや導入事例などを詳しく説明し(具体的詳細、Detail)
提案をしたり未来を描いたりする(次への展開、development)
これを私は「3D話法」と呼んでいますが、詳しいことはまた別の機会に。
いずれにしても、「相手にしてほしい行動」は最後です。
この「PREP法を日本に広めた外資系コンサル会社の人たちも自分の部下には「PREPで報告しろ」というものの、
自分がクライアントにプレゼンをするときは「3D話法」なんですから・・・。(笑!)
2-③ PREPは「全体の構成」ではなく「1段落の構成」
もしPREP法を使うとしたら、上記の3段落それぞれをPREPで構成すると非常に分かりやすいですね。
1 問題提起
Point「◯◯でお悩みでありませんか?」
Reason「なぜならこういうお客様がここ最近非常に多いからです」
Example「実際、こういうお悩みが美容雑誌で報じられている」
Point「ゆえに◯◯を対処しなければならない」
2 原因分析
Point「なぜ◯◯で悩む人が多いのか?」
Reason「△△を抑える機能が入った商材がないからだ」
Example「先日のお客様でもそうだった」
Point「つまり、◯◯で悩まれる理由である」
3 解決策
Point「したがって、トラブルが小さいうちに抑える商材が必要だ」
Reason「トラブルをゼロにはできないが小さくすることは可能だから」
Example「具体的には、こういう構造(メカニズム)だからこの成分が効果があると考えられる」
Point「こうすればトラブルを早期発見してお客様の悩みを防ぐことができる」
とても充実した内容になりそうです。
というか、この型で書かれた文章やプレゼン資料やセールストークはめっちゃ読みやすいし聞きやすいはずですね。
もちろんバタバタしている美容室では、そんなPREP法なんて!
考えている暇がありません!!と聞こえてきそうですが・・・・。
PREP法以外の段落の埋め方もありますが、
一つの型として練習するのは悪くないと思います。
PREPは「プレゼン全体の段落構成」ではなく「1つの段落の書き方」と覚えておきましょう。